在宅医療のプロフェッショナルを目指して


『エミング野田クリニック』は野田市で最初の在宅療養支援診療所として2012年9月に開設いたしました。私自身は、2001年に大学を卒業後、都内の総合病院で内科医として、疾患にとらわれず、幅広く総合的な視点で患者さんと向き合ってきました。

 

 私には、そこで出会った目指す医師像〜Five-star doctorという概念がありますので、紹介させてください。


〜Five-star doctor

 

WHOは、プライマリ・ヘルスケアを担う医師として『Five-star doctor』というコンセプトを提示。この5つ星医の備えるべきコンピテンシーは、
1.Care provider(標準的で幅ひろい医学的なケアができる)
2.Decision maker(様々な場面で適切な意思決定ができる)
3.Communicator(対患者だけでなく、チームや地域住民とのコミュニケーションが取れる)
4.Community leader(地域の健康問題について政策提案ができ、人の集まりを組織し運営することができる)
5.Manager(施設やチームの経営や運営ができ、費用対効果を勘案したマネージメントができる)


もちろん当然のことばかりかとは思いますが、地域で医療を展開する医師にとっては、いずれも大切なことだと感じています。



 その中で「自分の知識、技術、その獲得のための努力はいったい誰のためのものなのか」「どこでどう活かしていくのか」ということを考えてきました。結論としては、その知識・技術を身につけ、自己成長を達成するのが自分と社会への責任と考えるだけではなく、身につけたものはきちんと患者さんや地域に還元することが大切だと感じています。そして、患者の辛さを自分の辛さとして考えることができ、患者さんが幸せになってこそ自分たちも幸せと考えることができる、そうい医療ができるクリニックを目指していきたいと思います。

 


 医師は、『よき伴走者であれ』と言われます。私は疾病や障害にみまわれた人たちが、それを乗り越えて自分らしく生きていこうとすることを支える伴走者です。よい伴走者であろうとすれば人々の健康を害するあらゆる原因に無関心ではいられないし、病気や障害を抱えた人がその人らしく生きていくことを阻むものに対しては一緒に取り除こうとしなければならないと考えます。そして、人生も、医学医療も、常に不確実性を内包していますから伴走していれば当然予想外のことにたくさん出くわします。ときには、厳しい現実を突きつけられることもあるかもしれませんが、そこから決して目を背けず向き合っていく決意です。

 


 まだまだ未熟で足りない面もあるとは自覚しておりますが、この地域で暮らす皆様に少しでも安心して自宅での療養を行っていただき、そして地域の医療に貢献したいと考えております。どうぞ、お気軽に何でもご相談ください。

 




 医療法人社団愛世会 理事長

 エミング野田クリニック 院長 中泉聡志